婿養子の離婚に必要な手続きや注意点

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婿養子とは、妻の両親と養子縁組を結び、親子関係となった婿のことです。よって、一般的な離婚の場合と比べて、婿養子の離婚はより複雑であるというイメージがある方も少なくないでしょう。以下では、婿養子の離婚の際に必要な手続きと注意点を詳しく説明していきます。

■婿養子の離婚の手続き
婿養子という形で結婚している場合は、結婚した際に、役所に「婚姻届」と「養子縁組届」を提出しているはずです。よって、離婚する際には、「離婚届」にくわえて、「養子離縁届」も提出しなければならない場合が多いです。

養子縁組を結ぶと、法的に親子関係にあることになるため、妻の両親に婿の扶養義務が発生したり、婿に相続権が発生します。よって、離婚したにも関わらず養子縁組を解消しない場合、奇妙な関係が継続してしまうことになります。

●養子離縁について
養子離縁の方法には、①協議離縁、②調停離縁、③裁判離縁、④死後離縁の4つがあり、①が上手くいかなかった場合は②へ、②が上手くいかなかった場合は③へ、と移行していきます。④の死後離縁は、養子縁組をしたどちらか一方が死亡した場合に行う手続きです。いずれの方法によるかによって、必要となる書類が異なるため、注意が必要です。

●離婚について
離婚の方法として、①協議離婚、②調停離婚、③裁判離婚の3つの方法があり、養子離縁と同様、①が上手くいかなかった場合は②へ、②が上手くいかなかった場合は③へ、と移行します。

離婚をする夫婦の約9割が、協議離婚によって離婚しています。

離婚をする際には、「(未成年の子がいる場合には)親権者の確定」、「面会交流や養育費について」、「配偶者への財産分与」について決めなければいけません。

●養子離縁届と離婚届のどちらを先に出すか?
養子離縁届と離婚届は、極力同時に提出しましょう。養子離縁届の前に離婚届を提出してしまうと、離婚時に調停や裁判等にもつれた場合、離縁の意思があったかどうかについての立証が後から必要になることがあり、手続きが面倒になる可能性が十分あります。

■婿養子の離婚の際の注意点
●苗字について
婿養子は、養子離縁の後は、養子縁組をする前の苗字に戻ります。もし、養子縁組中の苗字を引き続き使用したい場合は、「離縁の際に称していた氏を称する届」を、離縁してから3ヶ月以内に、市町村役場に提出する必要があります。もっとも、養子縁組をしてから7年以上である場合にのみ、することができます。

●子の苗字、戸籍について
子の戸籍は、親権が母親と父親のどちらにあるかに関わらず、離縁前と変わりません。よって、子を父の戸籍に入籍させたい場合は、別途手続きを経る必要があります。子の苗字については、家庭裁判所の許可を得て、父の苗字に変更することができます。

●相続権について
養子離縁後は、婿の、妻の両親についての相続権は消滅します。もっとも、離縁前に発生した相続については、養子離縁は影響しません。

山﨑夏彦法律事務所では、神奈川県小田原市を中心に神奈川県と静岡県で法律相談を承っております。離婚の手続きの流れがわからない、慰謝料請求を行いたい、親権を取得したいなど、離婚についてお困りの方はお気軽にご相談ください。皆様のお悩みに最善の法的アドバイスを提供いたします。

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山﨑 夏彦(やまざき なつひこ)/ 代表弁護士

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経歴

神奈川県小田原市生まれ。
小田原高等学校卒業後、東北大学教育学部を経て、同大学法科大学院修了。
司法試験合格後、福島県福島市の法律事務所に勤務し、幅広い案件を担当。
平成25年5月、地元・小田原市にて山﨑夏彦法律事務所を開設。
以来、地域に根ざした活動を続けている。

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