未払いの養育費を請求するには
■養育費の請求について
離婚した元夫婦間に子どもがいた場合、親権者はその子どもを監護養育のために費用が生じます。一方、親権者を得なかった者は子のために一切の費用負担をしなくてもよいのでしょうか。それでは、親権者の負担が大きすぎて自身の生活を維持することで精一杯になってしまいます。そこで、養育費が重要になります。養育費とは、子どもが社会人となって自立して生活できるようになるまでに必要な費用のことを言います。日本の民法では、養育費の支払い義務として定められており、たとえ別居していたとしても支払い義務は生じてきます。
●養育費の請求手順
一般的に、離婚協議を進める際に、養育費の取り決めについて夫婦間で金額などの合意が得られれば公正証書のような法的効力のある書面にして残しておくことが重要になってきます。しかし、突発的に離婚に至ったなどのさまざまな事情によって養育費の取り決めができなかった場合や、養育費が支払われなくなったなどの場合には以下の手順を踏んで養育費を請求していきます。
⑴ 話し合いによる解決
まずは、話し合い(協議)から始まります。離婚時であっても離婚後であっても話し合いから養育費について金額、支払い方法などの細かい点まで決めてこれを公正証書に残しておきます。
⑵ 家庭裁判所による調停・審判による解決
話し合いで決まらなかった場合、家庭裁判所で調停や審判の申し立てをします。当事者以外の第三者を間に挟み双方の納得できる形で解決を目指します。なおここで取り決めは、調停・審判証書として法的効力を持つ文書が作成されます。
⑶ 家庭裁判所での裁判
裁判離婚をする際に、同時に養育費の取り決めをする方法です。判決によって養育費を確定させます。
■養育費が不払いとなった場合
上記の取り決めが行われたが、養育費が支払われなくなった場合には、強制執行という手段を取ることができます。公正証書は調停・審判証書、裁判による判決文はそれぞれ法的拘束力を有しているため、養育費の取り組めが担保されます。そのため、それを無視し、養育費の支払いをしなかった場合には、地方裁判所にて強制執行の申し立てをすれば、支払い義務者の給与やその他の財産などを差押えすることができ、養育費に充てることができます。
しかし、公正証書などの法的効力を持つ文書を有していない場合(念書など)は、改めて、協議や調停の手続きを踏んで養育費の取り決めをしなければなりません。
■取り決め後の未払い分の請求について
養育費の取り決め後に未払いが発生した場合、未払い分についても請求をすることが可能です。未払い請求をするには、その旨の連絡を支払い義務者にし、話し合いを行うか、内容証明郵便を送付して請求をします。それでも支払われない場合は、家庭裁判所による調停などの手続きをします。
■養育費の相場
養育費の相場は、親権者の収入、支払い義務者の収入、子どもの数、年齢などによって変化します。実務では、裁判所が公表している「養育費算定表」というものを参考に養育費の額を決めています。
例えば、支払い義務者が一般企業に勤めており、年収が400万円の場合で、子どもが14歳1人の場合は月4〜6万円程度が相場となっています。
山﨑夏彦法律事務所では、小田原市・湯河原町・南足柄市・平塚市を中心とする神奈川県及び静岡県において、離婚・相続等のご相談を承っております。養育費の取り決めをしたが未払いである、未払いの養育費を請求したいなど養育費に関するトラブルがございましたら当事務所までお気軽にご相談ください。
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LAWYER 弁護士紹介
山﨑 夏彦(やまざき なつひこ)/ 代表弁護士

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- 経歴
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神奈川県小田原市生まれ。
小田原高等学校卒業後、東北大学教育学部を経て、同大学法科大学院修了。
司法試験合格後、福島県福島市の法律事務所に勤務し、幅広い案件を担当。
平成25年5月、地元・小田原市にて山﨑夏彦法律事務所を開設。
以来、地域に根ざした活動を続けている。
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