背任罪とは、他人のために事務をする者が、自己もしくは第三者の利益や被害者の損害を目的として、任務にそむいて損害を与える罪をいいます(刑法247条)。例えば、自己が管理する他人のデータを外部に流出したり無断使用したりする行為などです。背任罪の罪に問われた場合、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。
一方、横領罪とは、自己の占有する他人の物、または公務所から保管を命じられた自己の物を不法に領得(自己または第三者のもの にする目的で,他人の財産を取得すること)する罪をいいます(刑法252条)。例えば、友人から保管するように頼まれた壺を友人に黙って持ち出して行方をくらませたり、第三者に売却してしまったりすると、横領罪が成立します。横領罪の罪に問われた場合、5年以下の懲役に処されます。
両罪は似ている部分も多く、他人から委託信任を受けた者が、その委託に反し、委託信任してくれた相手に対して損害を与えるという点で共通しています。
両罪の違いの一つは、相手に損害を与える方法が挙げられます。横領罪は、他人の財物を勝手に処分する行為であり、一方、背任罪は、任された職務・任務に背いて他人に損害を与える行為で微妙な違いがあります。また、横領罪は特定の財産に対して行われるものであるのに対し、背任罪は、全体の利益などを対象に行われます。
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背任罪・横領罪
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