「婚姻費用」とは,別居中の夫婦の生活費や養育費などの婚姻生活を維持するために必要な費用のことをいいます。具体的には,居住費や生活費,子どもの生活費や学費といった費用が挙げられます。
法律上,婚姻費用については,夫婦がその収入に応じて,分担する義務を負っています。この義務は,別居していても,法律上の夫婦である限りなくなることはありません。そのため,夫婦が別居した際に,妻に比べて収入の高い夫が生活費を払ってくれないような場合は,婚姻費用分担請求をすることができます。
婚姻費用は、法律上明確に金額が決まっているわけではありません。よって夫婦の話し合いで自由に決めることができます。なお、実際には裁判所も利用する「婚姻費用算定表」という一応の基準があり、この基準に則って話し合いが進められることが多いです。また、夫婦間の話し合いでも決まらない場合は裁判所に対して調停を申し立てることができます。
婚姻費用分担請求は「請求したとき」から認められます。つまり,過去にもらえるはずだった婚姻費用を,後になってから婚姻費用分担請求として請求するのは難しいことになります。そのため、別居したらすぐに請求することが望ましいです。一方、婚姻費用は「離婚するまで」もしくは「再度同居するまで」もらうことができます。
また、分担額の支払いが滞った場合に、強制的に支払わせることは出来ません。将来、支払が滞ったときに強制的に支払わせることが出来るようにするために、協議の結果を公正証書など公的な書面にしておくことが望ましいと言えます。
山崎夏彦法律事務所では、小田原市・湯河原市・南足柄市・平塚市を中心とする神奈川県及び静岡県において、離婚・相続・交通事故・不動産トラブル等のご相談を承っております。離婚に際して、特にお金の問題はトラブルになりやすく、また法的知識も必要です。何かお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
婚姻費用分担請求
山崎夏彦法律事務所が提供する基礎知識
-
死亡事故
死亡事故が発生した場合、加害者は主に3つの法的責任を負うことになります。 1つ目が、刑事責任です。 ...
-
面会交流権
子どもと一緒に暮らしていない親が子どもと会う権利のことを面会交流権といいます。具体的には特定の日時に子...
-
離婚と子供
「親権」とは未成年者の子どもの世話や教育をする権利(身上監護人)と、子どもの財産を管理する権利(財産権...
-
【弁護士が解説】不動産...
高額な売買や高額な契約に使われるクーリングオフは売買や契約を締結した後でも、一定の期限内であれば一方...
-
調停離婚
■調停離婚とは 話し合いでの合意が見込めず、協議離婚が成立しなかった場合には、家庭裁判所での離婚調停を...
-
浮気が原因による離婚を...
◆離婚慰謝料の計算式 離婚慰謝料は具体的に、離婚原因を作ったことに対する慰謝料と、離婚すること自体への...
-
成年後見制度のメリット...
「成年後見制度」とは、認知症や精神障害等によって、判断能力(事理弁識能力)が低下して、財産管理などを適...
-
相続人の調べ方
相続人になるかどうかは、民法上でルールが定められています。 ■相続人 相続人には血族相続人と配偶者...
-
詐欺罪
詐欺罪とは、人を欺いて錯誤(「勘違い」のこと)に陥れ、財物または財産上の利益を処分させる罪をいいます(...