■ 不動産売買契約の解除について
不動産売買の契約を何らかの事情によって解除したい場合には、どのようにして解除すべきでしょうか。そもそも契約の解除とは、契約が有効に成立した後に、契約締結をした当事者の一方が解除の意思表示をすることで、その契約関係を契約締結時に遡って解消することを言います。つまり、その契約はそもそもなかったことにする行為のことです。
不動産売買契約の解除には、契約違反をはじめとする債務不履行を理由とする解除、手付による解除、契約内容に適していない契約不適合責任による解除、契約当事者間での合意解除などがあります。
■ 解除の種類
以下では、主な契約解除方法についてご紹介いたします。
⑴ 手付による解除
不動産売買契約における解除方法として手付け金による解除が挙げられます。主な方法は解約手付けと呼ばれるもので、不動産の売買契約締結後に契約を解除する場合に支払う手付け金です。具体的には、不動産の買主が売主に売買金額の5〜10%程度の金銭を手付け金として支払います。買主が売買契約を解除する場合には、この手付け金を放棄すれば解除できます。一方、売主が契約を解除する場合には、手付け金の倍返しをすることで契約解除が可能になります。
⑵ 債務不履行による解除
契約者の一方が契約内容に反する行為をした場合には、契約を解除することができます。例えば、不動産売買契約を締結したが、買主が代金を支払わないなどです。
⑶ 売主側に英訳不適合責任がある場合の解除
買主が契約通りに代金を支払ったが、引き渡された不動産(目的物)が構造上の問題があったり、その土地に建物を建設できなかったりなどの理由で契約目的を果たせない場合に解除ができます。
⑷ 契約者同士での合意解除
売主と買主が話し合いによって解除に至った場合にも当然解除をすることは可能です。
⑸ 意思能力が欠けている者が契約を締結した場合の解除
認知症患者が売買契約を締結した時、この契約は解除できます。認知症などを患った人は、通常人に比べて判断能力が著しく低下しているため、自分でしっかり理解していない状態で契約を結んでしまう恐れがあるため、このような契約は解除することが可能です。
不動産売買契約でのトラブルを避けるためには、契約締結の際に必ず契約書を確認して解除の条件などを確認しておくことです。不動産売買契約を解除したいが、その方法がわからない、違約金などのペナルティーが発生するのかなどについては、法律の専門家である弁護士などにご相談ください。
山崎夏彦法律事務所では、小田原市、湯河原町、南足柄市、平塚市を中心に不動産売買契約などに関する不動産トラブルのご相談を承っております。不動産売買契約の解除方法や、解約手付け金など、不動産売買契約でお困りの際にはお気軽に当事務所までご相談ください。
不動産売買の契約を解除するには
山崎夏彦法律事務所が提供する基礎知識
-
調停離婚
■調停離婚とは 話し合いでの合意が見込めず、協議離婚が成立しなかった場合には、家庭裁判所での離婚調停を...
-
瑕疵担保責任(契約不適...
2020年4月の民法改正により、今まで「瑕疵担保責任」とされていたものが、「契約不適合責任」と変更にな...
-
小田原市の不倫・浮気の...
法律上では、浮気や不倫のことを「不貞行為」といい、パートナーに不貞行為を行われた場合に、それに対する損...
-
公正証書遺言作成の必要...
公正証書遺言とは、2人の証人の立会いのもと、公証人が遺言者から遺言内容を聴き取りながら作成する遺言書の...
-
相続放棄と代襲相続の関...
相続とは、お亡くなりになった方が生前有していた権利義務を相続人の方に承継することをいいます。 相...
-
痴漢・わいせつ
近年、痴漢冤罪事件が社会問題となっていますが、法律上、「痴漢罪」という罪名はありません。痴漢で逮捕され...
-
別居中の生活費を算定するには
結婚している夫婦においては、同居している場合、当然生活費は夫婦間で分担することになっています。これは、...
-
明渡し・立ち退きの示談交渉
不動産の賃貸借契約の期間満了になったからと言って、マンションなどを借りた人(賃借人)は不動産の管理人(...
-
強姦罪
強姦罪とは、男性が女性を暴行・脅迫などを用いて姦淫(性交のこと)することで成立する犯罪です(旧刑法17...