子どもがいる夫婦が離婚をする際、養育費の支払いについてもめることがあります。
今回は、養育費を払わない元配偶者に対して取ることができる手段について詳しく解説していきます。
養育費とは
まず養育費とは、子どもを監護したり教育を受けさせたりするために必要な費用のことをいいます。
具体的には、衣食住に必要な経費や教育費、医療費などが養育費に含まれます。
夫婦が離婚をする場合、子どもを監護する親は、子どもを監護していない親に対して養育費を請求することができます。
養育費は子が経済的・社会的に自立するまでの間支払うこととなります。
養育費の金額は夫婦双方の合意があれば自由に決めることができます。
その際には、裁判所が夫婦それぞれの年収等を基準として作成している算定表を参考にすることもできます。
養育費の差し押さえ
元配偶者が養育費を支払わない場合、強制執行(≒差し押さえ)を行うことができる場合があります。
差し押さえが実行されると、元配偶者の方の給料から養育費分の金額がそのまま差し引かれ、養育費を受け取るべき方の口座に養育費として振り込まれることとなります。
差し押さえは、養育費を受け取るべき方の住所を管轄する地方裁判所に申し立てを行います。
申し立てには、
⑴ 申立書
⑵ 養育費について定めた調停調書や審判書、和解調書、判決書、公正証書の正本
⑶ 送達証明書
⑷ 収入印紙
⑸ 郵便切手
⑹ 第三債務者(法人=養育費を支払わなければならない方の勤務先など)の資格証明書
⑺ 債権者または債務者の住所・氏名に変更がある場合の必要書類
などが必要となります。
注意点
上述した強制執行を行うためには、夫婦の一方が他の一方に対して養育費の支払い義務があることが調停や審判といった裁判所の手続きや公正証書によって明らかにされていることが必要となります。
すなわち、単に夫婦間で個人的に取り決めを行っただけでは強制執行をすることができない点には十分注意が必要となります。
また、差し押さえをするための申し立て先は地方裁判所であり、家庭裁判所ではないという点についても間違えのないよう十分注意をしてください。
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今回は、養育費を払わない元配偶者に対して差し押さえをする方法や注意点について解説していきました。
山崎夏彦法律事務所には、離婚問題に詳しい弁護士が在籍しております。
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