2020年4月の民法改正により、今まで「瑕疵担保責任」とされていたものが、「契約不適合責任」と変更になりました。それまでの瑕疵担保責任よりも、契約不適合責任の方が買主の請求の範囲が広いため、買主にとって有利になったといえます。以下では、契約不適合責任について説明していきます。
■契約不適合責任とは?
売買契約や請負契約を締結する際、売主や請負人は、その契約の内容に適合した目的物を、買主や注文者に提供する義務があります。そして、「契約不適合責任」とは、引き渡された目的物が、その種類・品質・数量において、「契約内容に適合していない」と判断された場合に(債務不履行)、売主や請負人が相手側に対して負う責任のことをいいます。
●売買契約における契約不適合責任
購入した目的物が契約不適合であった場合、買主が売主に対してできる請求は以下の4つになります。
①追完請求(民法562条)・・・引き渡された目的物の修理(修補請求)や、契約適合の目的物の引き渡しを求める請求。
②代金減額請求(民法563条)・・・購入代金の減額を求める請求。
③損害賠償請求(民法564条、415条)
④契約の解除(民法564条、541条または542条)
●請負契約における契約不適合責任
請負契約の目的物自体や、設置工事等が契約不適合であった場合、注文者が請負人に対してできる請求は、売買契約の際と同様に以下の4つになります。
①追完請求
②代金減額請求
③損害賠償請求
④契約の解除
上記の請求は、民法上売買契約の条文として規定されていますが、民法559条により、請負契約にも準用されます。
山崎夏彦法律事務所では、小田原市、湯河原町、南足柄市、平塚市を中心に不動産売買契約などに関する不動産トラブルのご相談を承っております。不動産仲介業者が用意した契約書の読み方や、契約書に記載されている瑕疵担保責任についての説明など、不動産売買契約でお困りの際にはお気軽にご相談ください。
瑕疵担保責任(契約不適合)とは?
山崎夏彦法律事務所が提供する基礎知識
-
別居中の浮気は慰謝料請...
■ 浮気の慰謝料請求について 慰謝料とは、離婚や浮気などによって精神的苦痛を被った者に対して支払われる...
-
相続放棄と代襲相続の関...
相続とは、お亡くなりになった方が生前有していた権利義務を相続人の方に承継することをいいます。 相...
-
離婚とお金
離婚時に支払われるお金は、慰謝料、財産分与、住宅ローン、婚姻費用分担請求、年金分割などが挙げられます。...
-
離婚の裁判でかかる費用
離婚をする方法として最も一般的な方法は協議離婚ですが、話し合いによっても離婚が成立しない場合には、離婚...
-
【オーナーさん向け】家...
不動産の賃貸借契約を締結している場合、様々な事情により契約当初の家賃から値上げをしたいと思われること...
-
日照権とは?どのような...
日照権とは建物の日当たりを確保する権利を指します。ただし、日照権に関しては法律で定められている権利では...
-
人身事故
交通事故の被害者にとって、物損事故として処理されるよりも人身事故として処理される方が明らかにメリットが...
-
強制退去の手続きと流れ
強制退去とは家賃を滞納している相手にその部屋の管理会社や大家さんが行使できる権利のひとつになります。し...
-
相続財産の分け方
■財産の分割方法 財産の分割方法には、 ①現物をそのまま配分する「現物分割」 ②遺産を構成する相続...